信号のある交差点に、青信号を直進して交差点に進入した四輪車(X)と、青信号を右折して交差点に進入した四輪車(Y)の交通事故です。
このような場合の基本的な過失割合は、
Xが20%、Yが80%です。
四輪車は、交差点で右折する場合、交差点を直進又は左折しようとする車両等があるときは、それらの進行を妨害してはいけません(道路交通法37条)。右折車は直進車の通過を待つなど、直進車が右折車に対して優先する関係にあります。そのため、直進車を優先しなかったYには80%の過失が認められます。他方で、Xにも、交差点に進入する際には状況に応じた注意義務があるため(同法36条4項)、20%の過失が認められます。
ただし、基本の過失割合は、様々な要素によって修正されることがあります。
たとえば、青信号で交差点に進入したXに、15㎞以上の速度違反があった場合、Xの過失は、+10%となります。
Xに30㎞以上の速度違反があった場合、Xの過失は、+20%となります。
また、交差点を右折しようとしたYに、合図なしの違反があった場合、Xの過失は、-10%となります。
さらに、これと類似の事例として、XとYの両車両とも赤信号で交差点に進入した場合の基本的な過失割合は、
Xが50%、Yが50%となります。
信号のない交差点に、直進して交差点に進入した四輪車(X)と、その対抗方向から右折しようと交差点に進入した四輪車(Y)の交通事故です。
このような場合の基本的な過失割合は、
Xが20%、Yが80%です。
四輪車は、交差点で右折する場合、交差点を直進又は左折しようとする車両等があるときは、それらの進行を妨害してはいけません(道路交通法37条)。
そのため、直進車Xが優先であることを前提として、Yに80%の過失が認められます。ただし、優先関係はXの注意義務を免除するものではなく、Xにも前方不注視等の過失があることが通常であることから、Xにも20%の過失が認められます。
ただし、基本の過失割合は、様々な要素によって修正されることがあります。
たとえば、右折車(Y)が既に右折を完了していた場合、対抗直進車(X)は、事故を回避する余地が大きくなることから、Xの過失は、+20%となります。
そのほか、直進車(X)に、15㎞以上の速度違反があった場合、Xの過失は+10%、30㎞以上の速度違反があった場合、Xの過失は+20%となります。
また、直進車(X)が全く減速しないで交差点に進入するなど、著しい過失が認められた場合、Xの過失は+10%となります。
反対に、直進車(X)ではなく、右折車(Y)が徐行をせずに交差点に右折して進入した場合は、Xの過失は-10%となります。