交差点に、直進して進入しようとした単車(X)と、単車に先行して交差点に進入し、左折しようとした四輪車(Y)の交通事故(いわゆる巻き込み事故)です。
このような場合の基本的な過失割合は、
Xが20%、Yが80%です。
交差点において左折する車両(単車・四輪車いずれも)は、交差点の手前30Mから合図を出し、道路の左側に寄り、左側端に沿って徐行しなければなりません(道路交通法53条1項、2項、同法34条1項)。
上記過失割合は、交差点の手前30mの地点で、直進単車(X)に先行している四輪車(Y)が左折の合図を出して左折を開始した場合を想定しています。
先行左折四輪車(Y)には、左寄り不十分等の過失があり、かつ直進車優先であることから、80%の過失が認められます。他方、後行の直進単車(X)にも、Yの左折の合図を見落とすなどの前方不注視の過失があることから、
20%の過失が認められます。
ただし、基本の過失割合は、様々な要素によって修正されることがあります。
例えば、後行の直進単車(X)に+15km以上の速度違反があった場合、Xの過失割合は+10%となります。
また、Xが前を全く見ていなかった等、著しい前方不注意がある場合は、Xの過失割合は+10%となります。
反対に、先行して左折しようとした四輪車(Y)の左折が大回り・進入路鋭角の場合、Yにより注意義務が課せられるため、Xの過失割合は-10%となります。
また、Yが後方のXを見落としたり、あるいは認識した上で左折を強行した場合は、
Xの過失割合は-10%となります。
その他、事故の態様等によって修正されることがあります。
交差点に、左折しようと四輪車に先行して進入した単車(X)と、単車の後方から交差点を直進しようとした四輪車(Y)の交通事故です。
このような場合の基本的な過失割合は、
Xが60%、Yが40%です。
交差点において左折する車両(単車・四輪車いずれも。)は、交差点の手前30メートルから合図を出し、道路の左側に寄り、左側端に沿って徐行しなければなりません(道路交通法53条1項、2項、同法34条1項)。
上記過失割合は、交差点の手前30メートルの地点で、先行している左折単車(X)が左折の合図を出して左折を開始した場合を想定しています。
このような事故は、左折する単車(X)が上記左折方法に違反し、大回り左折等であるため生じる事故態様であり、単車と四輪車の優位性の差を考慮しても、Xに60%の過失が認められ、他方、Yに40%の過失が認められます。
ただし、基本の過失割合は、様々な要素によって修正されることがあります。
例えば、先行して左折しようとした単車(X)の合図が遅れていた場合には、Xの過失割合が+5%となります。
また、仮にXが合図を全く出さずに左折した場合、Xの過失割合は+10%となります。
反対に、Yに脇見運転等著しい前方不注視がある場合や、15km以上の速度違反がある場合は、Xの過失割合は-10%となります。