説明・解説
この交通事故のパターンは、事故現場が交差点であるパターンとそうでないパターンがありますが、どちらのケースでも同じ過失割合となります。
信号を守ることは、車両においても歩行者においても、道路交通上における基本的な義務です(道路交通法7条)。
そこで、信号を無視して、青信号で横断していた歩行者に接触した自転車には、95%の過失割合が認められます。
ただ、歩行者は、道路を横断するときに近くに横断歩道があったら横断歩道を通行しなければならず(道路交通法12条1項)、横断歩道を歩いていない歩行者には絶対的な保護が及ばないため、青信号でわたっていても、歩行者にも5%の過失割合が認められます。
歩行者の信号が黄なら歩行者の過失割合が上がり、20%となりますし、赤ならさらに歩行者の過失割合が上がって30%となります。
また、自転車の信号が黄で歩行者の信号が赤だった場合には、基本の過失割合は、歩行者が60%、自転車の過失割合が40%となります。
自転車の信号が青で歩行者の信号が赤だった場合には、基本の過失割合は、歩行者が80%、自転車が20%となります。
修正要素、類似の事故状況における過失割合
ただし、基本の過失割合は、さまざまな要素によって修正されます。
事故現場が幹線道路であった場合、自転車の往来が多く、歩行者に求められる注意義務が高まるので、歩行者の過失割合が+10%となります。
歩行者が横断途中で立ち止まったり、後退したりして危険な行動をしたときには、歩行者の過失割合が+10%となります。
事故現場が住宅街や商店街であった場合には、歩行者の過失割合が-5%となりますし、歩行者が児童や高齢者であった場合には、歩行者の過失割合が-5%、歩行者が幼児や障害者であった場合には、歩行者の過失割合が-10%となります。
歩行者が集団で横断していた場合には歩行者の過失割合が-5%、現場が歩道と車道の区別のない狭い道路であった場合には、歩行者の過失割合が-5%となります。