交差点へ直進してきた自転車が、同一方向に進行中の左折自動車に巻き込まれた交通事故

事故状況
交差点に向かって直進してきた自転車が、前方を同一方向に走行していて、交差点で左折しようとしていた自動車に巻き込まれて発生した交通事故です(自動車が先行している場合)。
基本の過失割合
この場合の基本の過失割合は、
自転車が10%、自動車が90%となります。
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交差点に向かって直進してきた自転車が、前方を同一方向に走行していて、交差点で左折しようとしていた自動車に巻き込まれて発生した交通事故です(自動車が先行している場合)。
この場合の基本の過失割合は、
自転車が10%、自動車が90%となります。
交差点で左折しようとする車両は、交差点の30メートル手前から左折の指示を出す必要がありますし(道路交通法53条1項、2項、令21条)予め、なるべく道路の左端に寄って徐行しなければなりません(道路交通法34条1項)。自動車は、これらの義務を怠って自転車を巻き込んでいるので、過失割合は90%となります。
ただ、自転車の方も、自動車を見落とした過失があるので、10%の過失割合が認められます。
ただし、基本の過失割合は、さまざまな事情によって、修正されることがあります。
たとえば、自転車に著しい前方不注視があった場合や片手運転をしていた場合など著しい過失があった場合や飲酒運転をしていた場合など重過失があった場合には、自転車の過失割合が+5%~10%となります。
自転車が児童や高齢者であった場合、自転車に適切な行動を期待することが難しくなるので、自転車の過失割合が-5%となります。
自動車が早回り右折したり大回り右折したりした場合には、自転車の過失割合が-10%となります。
自動車の左折の合図が遅れた場合には、自転車の過失割合が-5%となります。
自動車が左折の合図を出さなかった場合には、自転車の過失割合が-10%となります。
自転車が、自転車横断帯を走行していた場合には、自転車の過失割合が-5%となります。
自転車が直後に迫っているにもかかわらず、自動車が不注意でこれを発見しなかった場合や発見していたにもかかわらず左折をした場合には、自動車に著しい過失があると言えるので、自転車の過失割合が-5~10%となります。
また、これと類似した事例として、自転車が自動車より先を走行していて、自動車が追い越し際に交差点で左折して、自転車を巻き込んで事故が発生したケースがあります。
この場合の基本の過失割合は、自転車が0%、自動車が100%となります。自動車の過失割合が上がるのは、交差点の手前30メートルにおいては、追い越しが禁止されているためです(道路交通法30条3項)。