説明・解説
この場合、自動車は信号無視をしているので大きな過失が認められますし(道路交通法7条)横断道路の近くを走行している以上、いつでも停車できるよう、慎重に運転しなければなりません(道路交通法38条1項)が、それに対する違反もあります。
ただ、この場合、歩行者にも過失が認められます。というのも、近くに横断歩道がある場合、横断歩道をわたるべき義務があるので(道路交通法12条1項)、それを守らず横断歩道外をわたった歩行者には義務違反が認められるからです。
具体的な過失割合は、歩行者側の信号の色によって異なります。
歩行者の信号が青なら、自動車の過失割合が95%(歩行者の過失割合は5%)となりますが、
黄なら自動車の過失割合が85%(歩行者の過失割合が15%)、
赤なら自動車の過失割合が75%(歩行者の過失割合が75%)となります。
修正要素、類似の事故状況における過失割合
だし、基本の過失割合は、さまざまな要素によって修正されます。
まず、事故時が夜間であった場合には、自動車はライトをつけているので歩行者は自動車を発見しやすいですが、自動車から歩行者を発見することが困難なので、歩行者の過失割合が+5%されます。
事故現場が幹線道路の場合、歩行者が横断歩道外を渡ることの危険性が高まるので、歩行者の過失割合が+10%となります。
歩行者が自動車の直前や直後を横断したり、横断途中で停止したり、後退したりすると危険なので、歩行者の過失割合が+10%されます。
反対に、事故現場が住宅街や商店街のケース、歩行者が児童や高齢者のケースでは、歩行者の過失割合が-5%となります。歩行者が幼児や障害者の場合には、歩行者の過失割合が-10%されます。歩行者が集団で横断していた場合には、歩行者の過失割合が-5%となります。
自動車に著しい過失があれば、歩行者が-10%、自動車に重過失があれば、歩行者が-20%となります。