対向車線で、直進車と転回車(Uターン車)が接触した交通事故
事故状況
対向車線において、転回(Uターン)しようとしていた四輪車(Y)に対し、直進してきた単車(X)が接触して発生した交通事故です。
基本の過失割合
このような場合の基本的な過失割合は、
Xが10%、Yが90%です。
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対向車線において、転回(Uターン)しようとしていた四輪車(Y)に対し、直進してきた単車(X)が接触して発生した交通事故です。
このような場合の基本的な過失割合は、
Xが10%、Yが90%です。
道路交通法では、歩行者や他の車両の交通を妨げるおそれのある場合、転回してはいけないと定められています(道路交通法25条の2第1項)し、転回するときには、30メートル手前から合図しなくてはならないとされています(道路交通法53条1項、2項)。この趣旨からすると、転回車には、直進車より高い注意義務が課されるので、転回中の四輪車(Y)に基本的に過失が認められ、その過失割合は90%となります。
一方、直進してきた単車(X)にも前方を注意して慎重に運手すべき義務があるので、過失が認められ、その割合は10%となります。
ただし、基本の過失割合は、さまざまな要素によって修正されます。
まず、直進してきた単車(X)が時速15キロメートル以上の速度違反をしていたら、Xの過失割合が+10%となります。時速30キロメートル以上の速度違反があると、Xの過失割合は+20%となります。また、Xが著しい脇見運転をしていたり、著しくハンドル操作が不適切だったりした場合には、Xの過失割合が+10~20%となります。
また、転回車(Y)が転回の合図をしていなかった場合には、Xの過失割合が-10%となります。
事故現場が、見通しのきかない場所や交通が特に頻繁で、転回が危険な場所だった場合には(転回危険場所)、Xの過失割合が、-10%となります。さらに、道路標識などによって転回が禁止されている「転回禁止場所」で転回していた場合には、Xの過失割合が-20%となります。
これと類似した事例として、四輪車が対向車線を直進、単車が転回していた場合に生じる交通事故があります。つまり、単車と四輪車が入れ替わっているということです。この場合の基本の過失割合は、四輪車が70%、単車が30%となります。単車の場合、車体が小さく、事故発生を予想し、避けることが四輪車より難しいので、四輪車よりも過失割合が低くなるためです。このことを、単車修正と言います。