過失割合とは
過失割合とは、発生した交通事故に対する、過失、責任の割合のことです。
過失とは、不注意な行動、不注意による義務違反です。
過失の程度、交通事故に対する過失の寄与度に応じて、被害者の損害賠償額が減額されます。
過失割合の認定基準
過去に起きた交通事故事例を積み重ね、様々な事故状況を踏まえた過失割合の認定基準が作成されています。
東京地方裁判所の裁判官が、過去の裁判例などをもとにして作成した、別冊判例タイムズ第38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」に掲載されている認定基準が実務上の基準となっています。
認定基準は、
●自動車同士の事故(四輪車同士、単車同士、四輪車と単車の事故)
●歩行者と自動車の事故
●自転車と自動車の事故
●高速道路における事故
の4つに大きく分類されています。
そして、交差点か否か、信号設置の有無、車線の数や追越禁止車線の有無、道路の幅員、一旦停止義務の有無などの道路状況のほか、直進、左折、右折など当事者の走行状況など、様々な類型が挙がっています。
過失割合の修正要素
先に述べた過失割合の認定基準も、あらゆる交通事故に定型的に使用できるわけではありません。
ベースの基準に、個々の事案に応じた修正が加えられるようになっています。
過失割合を加算する要素の例としては、
・夜間の交通事故
・赤信号直前の交差点進入
・速度違反
・合図(ウィンカー)なし・遅れ
・減速や徐行なし
など、様々あります。
また、歩行者との交通事故では、被害者が児童や高齢者である場合など、過失割合を減算する要素もあります。
過失割合認定の具体例
【T字型交差点における自動車同士の事故】
T字型交差点を直進していた自動車と、一時停止規制のある道路から右折または左折しようとした自動車の衝突事故
上記の交通事故の基本的な過失割合は、
直進車 15 : 右折または左折車 85 とされています。
右折または左折車が大型車である場合は、加算要素となり、過失割合は10:90になります。
その他、いずれかに著しい過失や重過失がある場合は、それぞれ修正されます。