交通事故の加害者に損害賠償請求できる法的根拠
交通事故の加害者は、被害者に対し、交通事故により生じた損害を賠償する義務を負います。
これは、加害者の被害者に対する民事上の責任であり、その根拠は、民法の不法行為責任(民法709条など)及び自動車損害賠償保障法に基づきます。
交通事故の加害者の負うその他の責任
上記の民事上の責任のほか、交通事故の加害者は、行政上の責任と刑事上の責任を問われる可能性があります。
●行政上の責任
運転免許の点数制度により、違反点数が加算されたり、場合によっては免許の停止、免許の取消しなどの行政処分を課されることがあります。
●刑事上の責任
自動車運転処罰法に基づき、刑事責任を問われる可能性があります(平成26年5月20日以降の自動車事故について、同法の適用があります。)。
一般的な自動車事故によって人を傷害または死亡させた場合は、自動車運転過失致死傷罪にあたります(同法5条)。
飲酒、薬物摂取、重大なスピード違反や信号無視など悪質な自動車事故により人を傷害または死亡させた場合は、危険運転過失致死傷罪にあたります(同法2条、3条、4条)。
また、自動車運転処罰法以外にも、無免許運転や免許証の不携帯、自賠性保険の未加入、車検切れなど、道路交通法の各定めに違反した場合は、刑事上の責任を問われることがあります。
なお、自転車事故については、刑法の業務上過失致死傷罪(刑法211条)などによる刑事責任が考えられます。